辻井伸行さんのリサイタルを聴きに行ったのでそのときのことを書いてみる。(2017/1/24@サントリーホール)
ひとことでいうと超絶技巧。であるが、ナマの芸術のすばらしさを表現するのは難しいので、
わたしと比較してどうなのか?(大胆な…)
プロフェッショナルとは?(恐れ多い)
(わたしと比較してどうなのか?)
今回の演奏曲のなかにベートーベンの「月光」があった。
わたしは2年前のピアノの発表会で演奏している。
辻井さんの演奏…静かな穏やかなさざ波みたいなのが、ペダルで音をただ伸ばすだけじゃなく、効果音としてよく効いている。
私の座った二階席のとこは辻井さんの手元は見えないのですが足元は良く見えました。
観察してると、いわゆるペダルの半踏み、半踏みかえ、半戻しが美しい動作で流れるようであった。
超メジャー曲で耳慣れた曲なのだけれども、辻井さんの演奏は情景が浮かぶ感じですばらしいのです。
一方のわたくし。
ペダルは効果音としての利用ではなく、音を伸ばすものとして使わざるを得なかった。
さざ波感ゼロ…
この曲を演奏するにあたり一番苦労したのは、ペダルを踏みかえるときに勢いよく踏んで一気に足を離す癖が治らず、バタっ という本来入ってはならない雑音が結構入ってしまうのが最後まで治らなかった。(いわゆる半踏み、半踏みかえ、半戻しができておらず、最初は良くても気づいたら、全開で踏んでるじゃん、戻してるじゃん。みたいな感じ、)
辻井さんには当然そういうガサツ音は一切無い。
(プロフェッショナルとは?)
…わたしがいうのも恐れ多いが、いわゆる一流の芸術家。とされる人、お辞儀が深々だなあ。と思う。
辻井さんはお辞儀がとても深々。
毎日猛練習をして、すばらしい時間をわたしたちに提供してくれて、聴衆に対し、礼儀というよりも心からありがとう。という辻井さんの気持ちが伝わってくる。わたしたち観客も拍手喝采でそれにこたえていた。
辻井さんのリサイタルはアンコールのときに辻井さんのトークタイムがあるのだけれど、そこでの話も観客への感謝、というのがすごく伝わってくる。
…せめて礼儀くらいは自分自身にも取り入れたい今日この頃…
写真はアンコールの曲。アンコールの最後でショパンの「革命」ですよ…どんだけ体力、集中力があるんでしょうか…