こういう文章書きたいなあ。の憧れの人のひとりに「稲垣えみ子さん」がいる。
たまに報道ステーションのゲストで呼ばれたりしている元朝日新聞の論説委員を務めた方である。(わたしがこの方を知ったのは、テレビ番組の「情熱大陸」で朝日新聞を退職して、東日本大震災をきっかけに、稲垣さん的脱原発生活をしている様子が報道されて、それが何とも楽しそうなエブリデーロー電力生活のようすであった。)
新聞社の論説委員をお勤めになられたくらいだから、文章の構成はもちろん美しいのだが、その視点、視座、表現…ああ、すばらしい。な方の本を読んだのでそのことを。
この「寂しい生活」はひとことでいうと、稲垣さん的脱原発生活を通じて、生きていくためには必要なものは少ししかないじゃん。(掃除機、炊飯器なども処分していく過程が書かれている)なる気づきが芽生えてくる過程が書かれているのだが、この書籍のなかで一番わたし的に衝撃だったのが、
「脱冷蔵庫」である。…究極の捨てのK点越えじゃなかろうか…
(今は引っ越されているらしいのだが、脱原発生活を始めた当初はなんとオール電化のマンションにお住まいだったらしい…勝手に深夜電力でお湯が沸いちゃうアレ。深夜電力との仁義なき戦いのところも割と面白く読めた)
わたしのなかでの冷蔵庫の主たる用途…は「食材を新鮮に貯蔵する」
ただ副次的な用途として、わたしもそうだけれども世の中一般的に「今要らないものも貯蔵」というものもある。
冷蔵庫の用途を哲学的に論じる…
この冷蔵庫の主たる用途を稲垣さんは、以下のように表現している。
「冷蔵庫とは、時間を調整する装置。冷蔵庫があることにより時間という人間の力ではどうにもならないものを「貯めておく」という神のごとき力を手に入れることにあった。」
冷蔵庫ひとつにこのようは哲学的な考察…
わたしなりの考察…
…確かに冷蔵庫に貯蔵するということは、時間の経過を遅らせることが可能。(品質の劣化を遅らせる)
…今つかわないけどいつか使うもの(いわゆるストック品)を詰めることができる。
年末にスッキリした冷蔵庫の中身もわりといろいろ詰まってきたなあ。と遠い目で自分の家の冷蔵庫の中身を見てみた。
稲垣さん的ゴール。
この本のなかで稲垣さんは、
…冷蔵庫が無いと、品質劣化がリアルタイムで進むから、その日使うものしか買わない。そして使い切る。
…そもそも人間一人が食べられる一日当たりの食料の量は決まってるのに、食べられる量よりもはるかに大量なものがお店に売られている。消費者が買いすぎる原因のひとつに冷蔵庫の存在があるのではなかろうか。
消費者の冷蔵庫のなかで賞味期限オーバーで廃棄、また新しいモノを買ってもらうことで食品業界は成り立ったいるんじゃなかろうか。
なることを論じられており、
結論として、
…今日の献立だけを考えるって楽。
ああ、今を生きてるじゃん。
なることを論じておられる。
わたしはこうしたい…(冷蔵庫と共存するけど)
…今日の献立だけを迷いなく作る。買い物も今日必要なモノしか買わない。
ああ理想だわ。と思ったのであった。
毎日買い物は難しいが、必要なものだけを買う…チラシに心踊らされない…
冷蔵庫は鮮度キープを主たる目的事項として、貯蔵という副次的な目的事項のために使用しない。