NHKのアナウンサーのグループ分けはブラタモリ的バラエティ系出身派、正統派、こんな感じでわたしはくくっているのだけれども、そんななかでわたし的にどちらにも所属しない派有働さん、なかなか正直な感じのトークがわりとわたしは好きである。
今年の4月にNHKから独立してフリーになった有働由美子さんの「ウドウロク」を読んだのでそのことを。ウドウロクは逆読みでクロウドウ。この本のなかにも、漆黒な有働さんのお考えやらなんやらもいくつか。
本に書かれた順番と異なるけど、印象にのこったこといくつか。について書いてみる。
・個性とは何か
・スーパーでのふるまい
・紅白歌合戦の司会をすること
個性とは何か
有働さん的には、
「個性は個性、素は素」
「素がいろいろなモノを兼ね備えたそのまんまの自分だとそいたら、人に魅せる個性はそのごく一部。」
NHKという大きな組織のなかで、自分の個性というものを考えたときに、星座占いや血液型占いにまで頼って個性を出そうとしたことがあるらしい、が、そのように認識した自分、というものは自分に都合のよい勝手な個性であり、他人から見た個性ではないということを社会にでて初めて知った。と本には書かれている。
わたしの個性をわかってほしいと思っても、他人の目に映るものは違う。
有働さんもその昔はザ・NHK的な正当派のアナウンサーを目指したことがあるらしい。が、どんなに頑張ってもそのように受け取ってもらえなかったらしい。
有働さんを見ている他人が、有働さんのことをどんな個性の人間だと思っているのかを掴むということで、有働さんは個性をとらえるようになったという。
つまり、「個性とは相手が感じるもの。客観的に自分をとらえることが大事。」とのことらしい。
…没個性はイヤだな…でも他人が見た自分ってのを知るのも怖いような…である。わたしは。
スーパーでのできごと。
この本はエッセイ集みたいな感じなんだけれども、普通ならショック…なことが楽し気に書かれているエッセイがある。
有働さんは夕方のスーパーにおひとりさま夕飯準備な買い物かごを下げてレジで待っていたら、後ろに並んだ親子連れの子供に「お母さん、あの人のカゴさみしいね。」なるお子様的には悪意が無いんだろうけれども、ちょっと傷つくことを言われたらしい。
キっとにらむことなく、その場を耐えていたら、母親が、「ダメよ。かわいそうな人のカゴ見ちゃ。」と言ったらしい。
「さみしい」が「かわいそう」に変換された…
ちなみに外ご飯をあまりしないらしいのだが、その理由が面白い。
「一日働いて仕事終わって、姿勢をキープして食事する余力がない。」
からなんだそうだ。
…わたしは人さまのカゴをウオッチするのがわりと好きである。
閉店間際のスーパーでお若い男子が高感度の高い買い物(50パーセントオフ弁当ではなく、50パーセントオフの刺身を買っているとか)をしていると、勝手に健康に気を使ってるのね~とか妄想をするのが好きである。
紅白歌合戦の司会をするということ。
これまた有働さんの文章が面白すぎる。
「紅白はやるものでなく観るモノ。司会して5歳は老けた」なんだそうだ。
わたしが大晦日にぽーっとみている紅白、NHKは局を挙げての大イベントらしい。
大晦日終わって最後の最後の打ち上げはカラオケボックスに行って一曲目から今日終わったばかりの紅白全曲を入れて、司会者が曲紹介をする「やりなおし紅白」だったらしい。