随分と家賃がお高いとこに…こんな施設が…である。東京駅の丸の内北口(天井がドーム状になっているところの)出てすぐのエキナカにある東京ステーションギャラリーで開催されていた 吉村芳生さん展に行ってきたのでそのことを。
ひとこと感想としては、この方は鉛筆絵画の方であり、一番有名なのは藤の花の絵、とわたしは勝手に思っていたのだけれども、そうじゃなかった…である。
↓わたしが一番有名だと思っていた藤の花の絵「無数の輝く生命に捧ぐ」
縦3メートル、横5メートル以上の巨大キャンバスに色鉛筆。ですよ。色鉛筆。近くで見ても本当に色鉛筆…(語彙力が無くて申し訳ない。)
↓実際に藤の絵以外のすべての作品観て思ったのは、おそらくこの系の絵が有名なんじゃなかろうか。である。なんとホンモノの新聞紙の一面に自分の自画像を365日分描く、というもの。
もちろん365日じゃ出来上がらなくて、最終形にするにはもっと時間がかかったみたい。
超絶技巧といわれる技とは…(植物編)
新聞紙の上に自画像系な絵画以外のもの(植物や上の藤の花)は、
まずは絵画のモデルとなる被写体の植物の写真撮って、植物の部分だけ切り取って、白い紙に貼って、方眼をすべてに引いて、それを拡大して絵を描く。という感じ。植物に関していえば色鉛筆作品。(ステッドラーの色鉛筆が使用されていたみたいである。普通に入手できるやつじゃん…である。)
吉村さんはもうお亡くなりになっているのだが、最後の作品(描きかけ)のものも展示されていて、絵にはたしかに方眼マス目が引いてあった。
超絶技巧と言われる技とは…(新聞紙自画像)
新聞紙上の自画像系なものは、ホントに鉛筆でただ書いてあるの…である。
展覧会で飾ってある作品は毎日新聞の上に描かれているものが多いのだけれども、そもそも新聞紙の上に自画像を描くなるアイディアを思い出したのはパリに絵の勉強に来ていて、冬のパリは何も描くモノなくて引きこもって居たら、新聞紙に自画像を描く。なることを思い立ったみたい。
新聞紙自画像意外にも、新聞紙自体を被写体、(写経的に文字がそっくり書き写されている)みたいなものもあった。
ザ・生命力…
なによりこの方が超絶なのは、60近くになっていきなり大ブレイク、世の中に認められた。ということですよ…認められない間も地道に絵を描き続けていて、特に植物の花の絵(藤の花以外にポピーやコスモス畑)は所有者が個人蔵となっているものが殆ど…生活のために絵を描いていたわけですよ…長い間。
芸術は辞めどき、はじめるとき、どっちも難しい。サンクコストなるひとことで切り捨てられないことがらも生じる。描かれている自画像なり植物なりからはものすごい生命力というか訴えるモノを感じんである。「想いをすべてぶつけているんですよ、認めてほしい、」みたいな・・・
まさに、チラシにあるように
ただ上手いだけの絵ではない、描くこと、生きることの意味を問いただす真摯な作品の数々。なのである。