富士山どんっ、白波どんっ、(いわゆる冨嶽三十六景の名所浮世絵のこと…)くらいしか葛飾北斎のことは存じず、江戸時代で90近くまで生きたスゴイ人、くらいの知識にて、新・北斎展(森アーツセンターギャラリー)に行ってきたのでそのことを。
接近戦…
冊子や絵葉書サイズの紙に描かれたもの展示が多い。細い線で詳細に描かれた歌舞伎役者の動きの図とか(漫画と称されるらしい)、絵画の見本とされる手本帳みたいなものとか。変わったところでは「お菓子の包み紙」とか。近くに寄らないと鑑賞しずらいモノが多い。
お若いころは芸術活動より商業活動、を結構されていたっぽい。これも初めて知る。
冨嶽三十六景の出来上がりは70歳越えの作品らしい。
あとは、この接近戦で鑑賞できる作品のなかには、荒波どっかーん、が描かれたものものやドクロな絵もあり、冨嶽三十六景の名所浮世絵やドクロな浮世絵に数十年後再生?されていると想定されるものもあった。
魚のウロコや人間の目やらが現実にない感じに想像の世界だけれども緻密に描かれていたりとか。
接近しないで鑑賞するもの系…
おなじみの赤い富士山、富士山どんっ、白波どんっ、の冨嶽三十六景の作品もすべてのものではないが、相当数(出品目録を数えたら会期で作品の入れ替えはあるみたいだが26作品展示がなされるらしい。)
あとは掛け軸風な細長い紙に書かれた浮世絵たくさん。珍しいところで向日葵を描いたものもあった。
芸術のすばらしさはわたしのチープな表現では称せないため、気づいたことをいくつか書いてみる。
客層
美術館の主たる客層というのは、いわゆるマダム世代…が多いのが通説であるが、この新・北斎展、男性のお客さんがすごく多かったのである。(この美術館が20時閉館ということもあるけど)
生涯現役、素晴らしいモノを生み出すその生涯に魅力を感じるのか?
照明
美術館って異様に寒い(最近は作品保護とやらで、床暖じゃなく床冷房いれてるんじゃないの?と思うくらい冷気が漂うとことかも。)というイメージがあるのだけれども、この森アーツセンターはそういうことは無かった。が、別の意味での作品保護がかなりかかってた感じ。
それは「照明」である。
いつもの美術館に比べると暗い…のである。スポットライトみたいな照明が部屋のあちらこちらで部屋を照らす。
ムーディというほどの暗さではないが、床に来館者の影がくっきり映るのだ。
先にわたしは「今回の展示物は接近戦で鑑賞するものが多い」なることを書いた。
そうです…接近すると作品に人影が映るんです。と言いたいところであるが、きちんとここは計算されており、作品そのものには影がかからないようになっているのであった。(枠とかには影が落ちる)
なるほどなるほど、こういう配慮もあるのか。である。
一般的に美術展は接近戦は禁じられているところが多いけどここはガラス越しにどこまで近づいても大丈夫だった。
混雑度…
なんだか休日の混雑ぶり(入場までに60分超え待ちとか)がものすごいことになってるっぽいのだが、平日もそこそこ混んでいる。
わたしが行った平日の夜18時半くらい、はテレビ局の収録が19時から入りますが、いいですか?なる受付でのお断りがあったのだが、そんな悪条件のなかでも、結構来館者はいた。
…すでに何本かの北斎特集の番組を最近やってたのに、まだテレビで紹介するの???(撮影風景をチラっと盗み見しましたが、どこの局が収録しているのかわからんかった)また人来るじゃん…
作品撮影禁止なので、入口のとこと、追加料金で東京シティビューに行かなくても美術館のフロア(52F)から観れた東京の夜景の写真載せときます。