イチ株主としてのお勤め(経営成績、財政状況の把握)は全くしておらず、配当金と株主優待のビールのみにしか興味のないわたし…夏の暑さはニガテだが、夏の暑さに比例してアサヒビールの株価は緩やかに上昇することが多い。家に帰ってからのビールとささやかな株価上昇が夏のお楽しみである。
とはいえ、株主優待のビールに掛かる酒税、はアサヒビールホールディングスが負担しているはずである…各四半期ごとに経営状況がわかるレポートの送付、株主総会は毎年ホテルニューオータニで開催され、(何度か株主総会に行った事あるけれども、経営陣もよくこんなアホみたいな質問に真面目に答えるなあ、と思うくらい、株主からの質問のレベルがあまり高くない。…有給使ってまで行くイベントではない。とはいえ、わたしも質問する勇気もないのだが)、株主総会のお土産も一人当たり時価たぶん1000円くらいはする食べ物や飲み物の詰め合わせみたいなものがもらえる。
などなど、いろいろ株主に対して手厚くやってくださっているのである。
図書館で面白そうな本を見つけたのでたまには真面目にイチ株主としてアサヒビールホールディングスについて考えたりしたことを。
この本の作者である永井隆さん、はビール会社絡みの本を何冊か出版されているジャーナリストの方らしい。
スーパードライを最後にヒット商品出てないのはヤバくないですか?
先に「株主総会の質疑応答タイムは微妙だが、かといって質問する勇気もない。」と書いたのだけど、もし勇気をもって質問するのならば、これが一番聞いてみたいこと、である。
…アサヒビール(今は持ち株会社化しているけれども、スーパードライが生まれたころは単独ビール専業会社)のなかでは、誰もが口に出せない社是みたいなものがあったらしい。
「スーパードライの販売に影響を与えるヒット商品を開発してはいけない。」という自主規制。
自社の商品が自社の商品を食う(カニバリズム)ことがあってはならない。
超傾いていたビール会社がスーパードライで一気にトップに躍り出たのだから、まあ聖域と言えば聖域なんだろうけれども・・・そこまで神としてあがめられているのか…
このスーパードライでの成功体験があまりにも強烈すぎて、ビールの売り上げがちょっとずつ落ちてきて、時代が缶チューハイ系なものを求め始めても、他社が「グレープフルーツ」「レモン」という王道でヒットを飛ばす中、アサヒは勝ち目ないなあ。と後ろ向き志向で「桃」「甘い系」とか独自路線で頑張ってみたがあんまり売れなかった、とか(今はグレープフルーツ、レモン味系で他社とシェアを争ってるみたいだけど)なかなか興味深いことが書かれている。
で、わたしの疑問「スーパードライ以上のヒット商品は?」なのだけど、今のところなさげ、である。
ただ、スーパードライ超依存体質はよろしくない。ということで、2012年ごろから「ドライ」の名前を使ったビールを売り出した。「ドライブラック」「ドライプレミアム」「ピンク色の缶の花見時期用のスーパードライ」
成功しているヒット商品(スーパードライ)をブランド・エクステンション(ブランド拡張)を実行してわりとうまくいっているたい。
だけど、このブランド・エクステンション、スーパードライのブランド力を利用して新新製品を投入するにあたり、うまく当たればよいのだが上手くいかないとスーパードライのブランド力を毀損するという難点がある。
よって、このドライの名前を冠したものを発売するのも、かなりの経営判断だったらしい。
カリスマすぎ商品で経営陣の判断まで悩ませる…すごいビールなのね…
心してこれからは飲みます…である。
…で改めて第二四半期の経営成績を確認。
最近郵送物が届いた。
アサヒビールホールディングスは年二回配当で、(9月と3月)今回は配当金のお知らせとともに、経営成績等のお知らせ冊子が入っていた。
いつもなら即ゴミ箱行なのだが、今回は中身をチラとだけど確認。
※アサヒビールホールディングスはビールのアサヒビールで売り上げ収益のほぼ50%、
飲み物(缶コーヒーのワンダや三ツ矢サイダー)のアサヒ飲料で20%、食べ物(わたしにとって唯一馴染みがあるのはミントタブレットのミンティアくらいだけど)のアサヒグループ食品で6%、国際事業(アサヒビールホールディングスはわりと海外の会社を買収するのが好きっぽいと思う。)で約30%である。
…まさにスーパードライが売れなくなったら会社の屋台骨が揺らぐ事業構造なのである…
今後は海外戦略を頑張るみたいなことが書かれてあったのだが、ビールの本場はドイツだろ…(素人的意見ですが)ドイツの会社をまだ買収した形跡がない。ってとこがちょっと気になった。
財務諸表的なところは右肩上がりでよろしい。
が、やはりカリスマスーパードライに頼らざるを得ない経営戦略…ってのは数値を見てもよくわかる。